50代・60代の個人投資家は要注意

高齢者の社会保険料に金融所得を反映させる事が決まりましたが、制度の具体的な内容と対策を教えてください。

以前にも「金融所得で保険料増加」で書きましたが、2026年6月に成立・公布された「健康保険法等の一部を改正する法律」により、75歳以上の後期高齢者医療制度で、特定口座等の金融所得を、保険料や窓口負担の判定に反映させると決まりました。
施行は公布から5年以内ですから、遅くても2031年中には施行されます。

医療費の窓口負担が2割や3割になっても、これは仕方がないのですが、問題なのは、保険料の負担です。
現在、会社員の人は、保険料の負担を会社と折半していますが、75歳になれば、後期高齢者医療制度に強制的に移行し、毎月払う保険料は、全額自己負担になります。
年金に配当所得などが加算されれば、2031年以降は、後期高齢者医療制度における保険料は、管理人の場合で最高限度額の年間85万円~90万円になります。

配当金生活を夢見てFIREを計画している個人投資家にとっては、痛いですね。またドラゴンさんのようなシニア投資家にとっては、医療費の負担は厳しいですね。
あと5年以内の施行であれば、個人投資家がやるべき対策は何ですか?

対策するとすれば、年間最高額(現在、約85万円)に達する見込みの人は、高配当株を売却し、分配金なしの投資信託にシフトするか、金融資産が2億円以上ある人は、お薦めはしませんが、資産管理会社を作り、株を移す方法もあります。
ただし、株を移すと言っても、単なる名義変更では無く、個人から法人への売却となる事から、含み益が大量にある場合は、よく考えた方が良いと思います。

法律が施行されれば、分離課税にする必要は無く、総合課税で確定申告する方が良いのではないですか?

いいえ、「社会保険料の判定枠」と「市民税の所得枠」は切り離されるので、総合課税にした場合、市民税・県民税が高くなります。
ただし、総合課税にする方がメリットがある人もいますので、確定申告をする時に、自分でシミュレーションすれば良いと思います。

政府も、税金を下げる時は遅いのに、上げる時は早いですね。ちなみにドラゴンさんは対策するのですか?

今更、投資信託に移行したり、プライベートカンパニーを作るメリットもない事から、諦めています。
ただ、今年から新規の個別株の購入は控えており、分配金なしの投資信託にしようかと考えています。

50代・60代の個人投資家で、特定口座に多額の金融資産を持っている方は、あと5年以内に何らかの対策を考えておいた方が良いと思います。
特に、現在FIREを考えている人は、昔とは社会情勢が変化していますので、75歳以降の人生をよく考える必要があります。
また、現在の所は、「75歳以上の後期高齢者医療制度」を対象としていますが、将来的には「国民健康保険」や「介護保険」など、現役世代や60代の定年退職者層へも対象が広がる可能性があると思います。

