警察OBの残念な失敗

配当金生活
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世の中、甘いものではありません

 警察OBは、警備会社に再就職する人が多いと聞きます。中には、警備会社を立ち上げる人もいると聞きますが、どうなのですか?

 警察OBの懇親会などで、その話はよく出ます。しかし話題になるのは、警備会社を立ち上げたものの、失敗した事案です。
 特に警備会社を立ち上げるのは、元所属長(所長や部長)が多いので、余計に話題になるのです。

 警備員になるには、色々な国家資格が必要だと聞きますが、警備会社を運営するには、更にハードルが上がると思います。皆さん資格を取得するのですか?

 警備員になる為に資格は必要ありませんが、一部の業務やステップアップする為には、国家資格が必要になります。
 ですから警備会社に再就職を希望する人は、退職前に勉強し、国家資格を取得するのです。

ちなみにドラゴンさんは取得したのですか?

 いいえ取得していません。警備会社を立ち上げて事業を行うには、都道府県公安委員会への認定を受ける必要があり、取り扱う警備の区分(施設警備、雑踏警備、貴重品運搬など)に応じた「警備員指導教育責任者資格者証」を持っている者を選任し、公安委員会に届け出る必要があります。
 そのため、警察官の中には、警備員指導教育責任者の資格も取得する人がいます。

 現職の時に警備業に関わる仕事をしていた人は、知識があるので警備員になりやすいかも知れませんね。
 まして、道路工事の増加や各種イベントの開催などが多くなっている現在では、警備員のニーズはあるでしょうね。

 実は、そこに大きな落とし穴があるのです。 警備の需要自体は非常に高く、警備員は常に引く手あまたの状態で、市場のパイとしては間違いなく存在します。
 現職の警察官は、その事をよく知っており、「絶対儲かる」と思い、OBの仲間内で警備会社を立ち上げようとするのです。

 ニーズがあり、警備業に関する知識が豊富な警察OBが社員にいれば、社会的な信用もあり、上手くいくのではないですか?

 ところが、世間は甘くないのです。これは警備業だけではありませんが、民間社会の構造と警察組織の構造には、大きなギャップがあるのです。
 これは、管理人が一般企業で働いた経験から痛感した事ですが、警察の仕事は、事件・事故の発生、あるいは法令に基づいて動く「受動的」な側面が強いのですが、民間社会は、何としてでも、仕事を取りに行く「能動的」な世界なのです。
 また、警察は組織と人がしっかりしており、上意下達が徹底されていますが、民間企業は組合もあり、そう簡単な物ではありません。

 仲間内全員が「元警察官」だと、元階級やプライドが邪魔をして、飛び込み営業や中小企業の社長への頭下げ、低姿勢での価格交渉といった泥臭い営業活動が誰もできないのです。
 そして「自分たちのキャリアであれば、仕事は向こうから頼んでくるだろう」という甘い見通しで待っている内に、資金が底をつくのです。

特に上級幹部の集まりであれば、なおさらですね。

 過去には、現役時代のつながりで、天下り的に特定の企業や公共事業の枠を回してもらえていた時代があったかも知れません。しかし現在は、コンプライアンスや癒着排除の目が非常に厳しく、「元警察官だから」という理由だけで、不透明に優遇して仕事を回してくれる企業や自治体は、皆無なのです。

 民間の競争入札や見積もり比較の土俵に立たされると、民間の営業ノウハウがないOBチームは、書類の作り方やアピールの段階で、当然の事ながら大手の営業マンに完敗するのです。
 そして職員が1人辞め、2人辞めの状態となり、倒産するのです。

社会的ニーズがあっても、仕事が回ってこなければ厳しいですね。

 警察現役時代は、行政、他の公務員、あるいは地域の交通や防犯関係者から、チヤホヤされていたかも知れません。
 しかし顧客は、工事現場の交通誘導に「元警視」や「元警部」といったキャリアは求めていません。「明日までに日当〇万円で5人集めてほしい」という要望に対し、プライドや単価の設定が高すぎるOB会社は敬遠され、フットワークの軽い民間会社に仕事が流れるのは当然です。

 管理人は、警備業以外に不動産関係で起業した人を知っていますが、「世間は甘くない」と言う事です。
 現在は起業のハードルも下がっていますが、会社設立後、3年間で約4割が廃業していると言われています。
 人生100年時代、退職金をもっと有効に使って貰いたいと思っています。