これが日本の現実です

ビジネス誌で「日本の半数が世帯所得250万円以下で、所得格差は年々開いている」と言う記事を見ましたが、本当ですか?

それは、厚労省が発表した「所得再分配調査」関連の記事ですね。この数字はカラクリがあり、「半数が250万円以下」と言う数字は、年金や社会保障などを受給する前の「当所所得(再分配前所得)」なのです。
つまり「年金だけ」で生活している高齢者世帯は、この再分配前の統計では、「所得ゼロ」として計上されているのです。
ですからこの統計であれば、高齢化社会が進む日本では、年々所得が減少し、格差が開くことになるのです。

そうなのですね、少し安心しました。では、年金などを含めた所得はどのようになっているのですか?

年金や社会保障の給付をすべて含んだ、実際の世帯年収(再分配後所得)は、これも厚労省が発表している「国民生活基礎調査(2025年)」によると、世帯年収の平均値は575万円、中央値は451万円です。
ですから、中央値は451万円であり、「半数が250万円以下」と言う数字は、生活の実態とかけ離れた解釈である事がわかります。

では、「格差が年々広がっている」と言うのはどうですか?

これは何とも言えないですね。所得格差を数字で表すものに「ジニ係数」があります。これは「0から1」の数字で表し、0に近いほど所得格差が小さく、1に近いほど所得格差が大きい状態になります。
再分配後のジニ係数によると、日本は0.33~0.34で、中程度と評価されています。格差が大きいのはアメリカで0.39~0.40、日本より格差が無い(平等に近い)のは、スウェーデンなどの北欧で0.25~0.27です。
G7の中で、日本は日本はアメリカ、イタリアに次いで3番目に格差が大きい側にあるというのが、統計的な事実です。

日本の社会保障は手厚いと思いますが、それでも低いのですね。

実は、高齢者を除いた「現役世代(18歳〜65歳)」だけでジニ係数を比較すると、日本の「働いて稼ぐお金」の格差は、欧米諸国より小さいと言われています。
日本の企業は、欧米ほど極端な実力主義・成果主義ではなく、雇用も安定し、失業率が低い事から、現役世代が稼ぐ給料の格差自体は、比較的ゆるやかになっているのです。

しかし残念ながら、日本は世界トップクラスで高齢化が進んでおり、収入が年金だけ、あるいは現役時代より大幅に減った高齢者世帯が激増しています。この「世代間の人口バランスの偏り」が、国全体のジニ係数を大きく押し上げているのです。
北欧は、税金や社会保険料が高い代わりに、手厚い子育て支援や失業手当、低所得者への給付金などで、格差が縮まっていると言う事です。
現在の所、日本のパワーは、それほど高くないと言う事ですね。

確かに日本は、退職すれば格差が開いていくと言えます。そのためには、老後は年金収入だけでは無く、配当収入を得る事が重要だと言えるのです。
日本はオルカン信仰で、金融資産額はそこそこ増えるのですが、分配金がファンド内で自動再投資され、定期的な配当収入がないのがデメリットなのです。 老後の生活を考えれば、年金と配当金で生活するのが、良いと思っています。

