FIREの罠を見極める

投資
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FIREで後悔しないために

①FIREには魅力がある
 FIREで得られるのは、「仕事のストレスから解放され、自由な生活が送れる」事が何より大きいと思います。また「趣味・やりたい事・家族のために時間が割ける」事も大きいですし、転勤族の人は「生活する場所が自由に選べ、落ち着いた生活が出来る」事も大きいと思います。いずれにしても、自分のペースで社会と繋がりが持てるという事に魅力があります。

②経済的に自立できる人は多い
 FIREとは「経済的自立と早期リタイヤ」ですが、各種投資のリターンだけで経済的に自立できる若手の投資家は多いと思います。よくFIREの条件として、「年間支出の25倍の資産」とか「生活費を資産の4%未満に収める」と言われてますが、この条件は、個々で金額に違いはあります。しかし20年も投資をしていれば、達成できない条件ではありませんし、これを一つの目安や目標として資産形成する事は、個人投資家として良い事だと思います。

③FIREに向く投資と人
 管理人の話で恐縮ですが、管理人は、株式投資を中心としており、個人の主な収入源は、配当所得です。妻の実家は不動産経営をしており、不動産所得が収入源の一つです。どちらも年間300万円程度はありますが、大きな違いは安定的な現金収入の有無です。日本株の場合、決算時期の関係で、配当金は6月と12月に集中しますが、不動産収入の場合は毎月あります。管理人の知人で早期リタイヤした人は、全員親から引き継いだ不動産収入で生活しており、株や投資信託でリタイヤした人は知りません。また、退職前に投資目的で不動産を購入し、不動産投資に失敗した先輩も知っています。管理人の経験から、FIREは、相続等で軌道に乗っている不動産所得があり、法人化している場合は向いていると思いますが、株式や投資信託の場合、評価額が1億円程度では、厳しいかなと思います。

④FIREが人生の目的?
 FIREを目指す人は、「今の仕事がつまらない」「今の職場環境はイヤ」と思っている人が多いと思います。確かに、つまらない仕事をしても成果は出ないし、過度のストレスも我慢すべきではないと思います。しかし、そのつまらないと思う仕事や過度のストレスは、その会社ではずっと続くんでしょうか?もしそうなら、FIREを目指して節約人生を送るより、多少収入が減っても、転職する方が良いと思います。誰しも「この仕事から逃げたい」と思った経験はあると思います。管理人は何回「いつでも辞めてやる」と思いながら仕事をしたか分かりません。FIREを目指したくなる気持ちは分かりますが、人生は長いです。自分の人生の目的は何なのでしょうか?人生の大半をFIREを目指して節約する事ですか?よく考えてみてください。どうしてもイヤな時は、「イヤな奴を道連れで辞める覚悟」で仕事をすれば、意外と乗り切れます。

⑤FIREをして後悔する
 不動産所得でFIREした知人は、旅行に行ったり趣味の釣りや家庭菜園をしたり、悠々自適の生活で、いつも懇親会や飲み会に顔を出していました。ところが5年もしないうちに、管理人が知る限り全員働きだしました(時短勤務やアルバイト)。勿論、生活資金はあり、お金に困って働いている訳ではありません。理由を聞くと、毎日がテレビのメジャーリーグ観戦とネットサーフィンで飽きてきて、「やはり仕事がしたい」と思うようになり「FIREを卒業した」と言っていました。FIREが出来た人は、人生の勝ち組だと思いますが、そうでも無かったようです。「仕事は何ですか?」と聞かれ、「恥ずかしくて負け犬の感じがした」と言っていました。勿論、負け犬なんかでは無く、管理人も退職してその気持ちがよく分かります。仕事で得られるのはお金だけではありません。「人と人、社会との繋がり」が人生において大切です。FIREによって得られる幸福感は、一時だけのものかも知れません。