毎月の配当にこだわる必要はありません
「カレンダー投資」と言う言葉を聞いたのですが、どのような投資ですか?
株の「配当」は、決算期末に株主名簿に載っている株主に対して分配します。通常は決算時に分配されますが、中間配当、4半期配当を実施する企業もあります。
この配当が貰える「権利月」は、本決算の3月と中間決算の9月が多いのですが、1月・7月や2月・8月などの企業もあります。
カレンダー投資は、これらの本決算・中間決算の時期が違う企業を選び、1月から12月まで毎月、配当金や株主優待が貰えるようにする投資です。
なるほど、以前ドラゴンさんは「投資家にもボーナスはある」で、投資家の人は、6月と12月の配当金が多いと書いてましたが、これを毎月もらおうと言う事ですね。
しかし、同じ投資資金で株を購入し、配当金が6月と12月に多かろうと、分散して毎月配当金が入ろうと、年間の配当金の収入が同じであれば、あまり意味がないと思うのですが。
確かに「同じ投資額」を、「同程度の利回り」の企業に投資した場合、株を1年間保有すれば、権利月が何月であろうと、年間の配当額に違いはありません。しかし、配当金目的のカレンダー投資は、株を1年間保有しないのです。
例えば、3月が「権利月」であれば、3月までに株を購入し、3月の権利が確定すれば、株を売却して4月以降の「権利月」がある銘柄を購入します。そして、これを繰り返すのです。
ですから、株を売却しない普通の投資家は、通常年2回の「権利月」ですが、カレンダー投資は、年12回の「権利月」がある事になり、理論上は、同じ投資額でも、年間の配当額は多くなると言うものです。
なるほど。でも、そんなに上手くいくのであれば、大半の個人投資家が「カレンダー投資」をするのではないですか?
投資経験が豊富で、しかも資金に余裕のある投資家は、カレンダー投資に似た経験があると思います。「カレンダー投資」は、上手く運用して資産を増やす投資家がいれば、失敗する投資家もいますし、上手くいく月もあれば、いかない月もあります。
ただ、投資資金の全てを「カレンダー投資」で運用する事には無理があります。おそらく、カレンダー投資をメインにしている人でも、全資金で運用している人は、まずいないと思います。
しかし、カレンダー投資を上手く活用して、大きな収入を得ている投資家がいる事も事実なんですよね。その人達は、何かコツがあるんでしょうね。ちなみに、ドラゴンさんはカレンダー投資をやってるんですか?
管理人は、評価額が1億を超えた頃から、約400万円を上限に、カレンダー投資みたいな事をしています。
1月から12月までの「権利月」の企業一覧表を作成し、3か月位前から購入時期を検討します。しかし株価が想定以上に上がる銘柄も多く、購入しない場合も多いです。
カレンダー投資で難しいのは、売却時です。「権利落ち日」以降は株価が下がりますが、銘柄によっては、下がった株価が上がらない場合もあります。特に、配当が年1回の銘柄は、株価が元に戻るのに、半年近くかかる場合もあります。
カレンダー投資のポイントは、
○あまり高い利回りの銘柄は避ける
普通は、配当利回りが3%以上の銘柄を選びますが、あまり欲を出すと失敗します。これまでの経験上、2.5%から3%位が上手くいきます。特に配当が年1回の銘柄は、人気があるので注意が必要です。
○プライム市場から選ぶ
スタンダード市場から選ぶ事もありますが、取引件数が少ない場合は、売買に苦労する事から、プライム市場の銘柄がお勧めです。
○欲を出して売買しない
中間配当がある銘柄は、6か月後にも配当がある事から、売買は急がず、売れなければ保有することも大事です。
管理人の経験から、欲を出して数百万円を投資した場合、上手くいけばインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得る事もありますが、だいたい失敗します。
しかし、株は長期保有が原則であり、初心者の方にカレンダー投資はお勧めしません。