主婦の年金が廃止

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第3号被保険者の廃止

 以前、「公務員や会社員の配偶者の年金が廃止される」と言う記事を見たのですが、本当ですか?

 まず、年金の加入者は、第1号~3号の被保険者に分類されており、
第1号は、自営業者やその配偶者など
第2号は、会社員や公務員
第3号は、第2号に扶養されている配偶者です。
 厚労省は、第3号の制度を廃止する方向性を示しており、「公務員や会社員の配偶者の年金が廃止される」という事がニュースになったのです。
 第3号の保険料は、第2号被保険者全体で負担している事から、保険料を納める必要がなく、原則65歳から老齢基礎年金を受給できます。
 そのため、共働き世帯や単身世帯と比べ、給付と負担の関係が不公平であり、「片働き世帯を優遇する制度である」と指摘されているのです。
 税制や年金の関係は、政府が検討していると言う事は、今後実現する可能性は十分にあると思います。

そう言われたら、そうかも知れませんが、自営業の配偶者はどうなんですか?

 自営業者(第1号)の配偶者は、第3号になれないんです。ですから、第1号として、個別に保険料を納めなくてはならないんです。この事も、不公平感が生まれる原因のひとつです。
 また、第2号の配偶者が、第3号になるための要件として、「年収が130万円未満」で、「配偶者の年収の2分の1未満」の必要があります。いわゆる、「年収の壁」と言うやつです。
 ですから、パートで働いている配偶者は、扶養を外れないために就業調整を行う人が多い事から、女性の就労障害や企業の人手不足の要因になっているのです。
 第3号制度が導入された1986年当時は、専業主婦世帯が一般的でした。しかし今では、共働き世帯の半分以下まで減少しており、実態とのズレが指摘されているのです。

では、第3号の廃止はいつからですか?

 具体的には決まっていません。ただ、政府は2024年10月から、社会保険の加入要件を拡大し、従業員数51人以上の企業で働く人は、労働時間や賃金など、一定の要件を満たす場合は、社会保険への加入する事となりました。
 社会保険の適用拡大も、第3号の廃止に向けた動きのひとつと言えるかも知れませんが、政府としては、第3号からの加入者を増やすことで「壁」を解消し、制度の抜本的な見直しに繋げたいのだと思われます。 

 実は、あまりよく知られていないけど、3号の人が注意する事があります。近年、定年退職後も働き、厚生年金に加入している第2号のシニアが増えています。
 その配偶者である第3号は、働いている夫が65歳になれば、第3号の資格を失うのです。ですから、第3号の配偶者が60歳未満の場合は、第1号となって、保険料を払う必要があるのです。

結構ややこしいですね。

 仮に第3号の制度が廃止され、第3号の配偶者が保険料を納める場合、第1号と同額の保険料を負担すれば、保険料は月額16,520円、年間に換算すると198,240円(2023年度)となります。
 現在、保険料を負担していない世帯では、家計に与える影響が大きく、20歳から60歳までの40年間に納める総額は、約793万円になります。