人手不足、しかし転職は厳しい

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黒字企業でもリストラ

 黒字なのにリストラする企業が多いと聞きました。なぜ黒字でもリストラするのですか?

 信用調査会社大手の商工リサーチによると、2024年に早期・希望退職募集を行った上場企業は、前年比4割増の57社に上り、募集人員は前年比の3倍に当たる1万人を超えたと言う事です。
 注目する点は、こうしたリストラ策を講じた企業の6割が、黒字決算の企業である事です。

日本は人手不足ではないのですか?

 確かに、少子高齢化による人口減少により、構造的な人手不足になっています。
 しかし、単に働き手が足りないのではなく、不足しているのは、IT専門職などのハイスキル人材と、現場仕事に従事するエッセンシャルワーカーなどであり、事務職などのホワイトカラーは人が余っているのです。
 つまり、労働市場は極端な二極化になっていると言う事です。

 三菱総合研究所の試算によると、2035 年時点で約480万人の雇用減少となり、このうち事務職のホワイトカラーが180万人余剰になると言う事です。
 一方で、リクルートワークス研究所によると、深刻な不足が懸念されるのは物流や建設・土木、介護・福祉、接客など「生活維持サービス」にかかわる職種だと言う事で、2040年時点で1100万人の労働力不足が生じると言う事です。

となれば、事務系会社員は、転職や再就職が難しいという事ですか?

 その通りで、漫然とホワイトカラーの仕事をこなしている人は、どこからもお呼びがかからなくなります。それは学歴と無関係で、これからは「どの大学を出たか」ではなく、「何ができるか」が問われるようになると言う事です。
 まして、前職が年功序列が強い職場にいた人や、力仕事を一切やっていない人にとっては厳しくなります。 シニアの場合、体がしんどいと、自分では動かずに口だけ出すという、サボり癖がついている人が多いのです。
 ですから、警察官を含め、公務員の転職や再就職は厳しいというのが現状です。 実際に、警察を退職した人は、よく高校や大学から再就職の声が掛かるのですが、仕事の内容は、寮の管理や門番などが多く、事務系の仕事はほとんどありません。

 現実は、結構厳しいんですね。ですから、警察官は退職しても「再任用」として交番勤務をする人が多いのですね。

 その通りで、警察も現場で働く交番員は必要ですが、管理職など事務系の仕事は必要としていません。
 確かにシニア労働者を当てにする声は大きいのですが、シニアの知恵や経験はあまりアテにされていません。 むしろ情報が溢れる社会では、シニアの経験や古い知識は、うるさいだけのように捉えられています。
 これからシニア労働者に求められるのは、知力、体力があり、新しい価値観に適応し、何より周りと協力できるコミュニケーション力を持った、謙虚なシニアであると言う事です。

 シニアがお金を使えない理由は、「老後の安定した生活」が出来なくなる事への恐れです。
 現在のシニアは、完全に二極化され、5千万円以上の金融資産を持って「悠々自適の生活」を送っているシニアがいる一方、半数以上の55%が「生活保護受給者」です。
 今後日本は、就職氷河期世代が高齢化し、生活保護受給者が増加する事が予想されています。 
 このブログを読んでいる方の多くは、資産形成されている個人投資家が多いので心配ありませんが、リタイヤ後、ゆとりがある生活を楽しめるよう祈念しています。