4%でFIREは難しい?

配当金生活
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理論と現実は違う

FIREするには「4%ルール」があると言われてますが、どう言う事を言うのですか?

 簡単に言えば、生活費等の年間支出の25倍の運用資産を築き、配当収入等の利回りが4%あれば、年間の生活費が賄えると言うものです。
 例えば、年間の生活費が400万円なら、25倍の1億円の資産を築き、あとは毎年「年率4%」で運用すれば、1億円×4%で400万円の利益が得られます。その利益の範囲内で生活すれば、1億円の資産は減る事なく、一生働かずに生活していけるというものです。

株式投資で利回り4%と言うのは、普通なんですか?

  日本でのFIREが難しいと言われている理由の一つが、この「4%」と言う数字です。
 4%という数字は、アメリカの株式市場における代表的な指標である「S&P500」が、戦後の75年間の長期的な平均で、「年率7%」で上昇してきたという事と、その同じ期間に物価上昇率が「年率3%」だったことを根拠としています。
 つまり、ニューヨーク株式市場に投資しておけば、差し引き(7%−3%=4%)で、「年率4%」の利回りが得られるはずと言う理論です。

4%と言うのは、アメリカの株式市場での話なんですね。でも、日本でもFIREする投資家は、4%と言う数字を言いますよね。

 管理人は、FIREにおける「4%ルール」を疑問に思っています。FIREは、2010年代からアメリカの若者の間でブームとなり、2020年頃からは、日本でも話題になりました。現在でも、FIREに関するネット記事や関連本はたくさん出ていますし、人気があります。
 FIREを目指す投資家に対し、大半が「無駄な支出を抑え、目標の資産を貯め、年4%のリターンを確立してFIREしよう」みたいな内容です。間違いはありませんが、日本において「4%」という数字は大した根拠は無く、アメリカからの受け売りをそのまま引用して、一人歩きしているようになっています。

でも、日本でも生活費の25倍の資産を築き、4%の範囲内で生活すれば、FIRE出来ると思いますが。

 確かに理論上はその通りです。しかし現実は違います。 
 そもそも、配当金はNISAを除き、20.315%の税金が掛かります。先ほど、1億円の4%で400万円の配当と言いましたが、税金は約81万円掛かり、税引後では319万円ありません。この税金が結構大きいのです。
 次に、配当金の利回りが4%と言うのは、この4%を継続して維持するのが難しいのです。既に配当金生活をしているベテラン投資家なら分かりますが、投資の経験が浅い投資家では、全ての資産をニューヨークダウに投資しても、厳しいと思います。
 管理人の場合、5年前の2019年末で評価額は3,270万円、利回り(税引後)は約2%でした。翌2020年末は、評価額は4,000万を超えましたが、利回りは4%に届きませんでした。この数年で、やっと5%~6%で推移するようになりました。
 評価額は、日経平均株価が上昇すれば連動して上がりますが、資産を効率的に増やすためには、評価額ではなく、「利回り」を意識する必要があるのです。

 配当金生活者にとって大切なのは、評価額ではなく、配当額なんですね。では、配当金を増やし、資産を倍にするためには、どれくらいの期間が必要なんですか?

 資産運用において、どのぐらいの利回りで資産運用すれば、何年で目標金額に達するのか、簡単に分かる計算式があります。
 「72の法則」と言って、資産が2倍になる期間の計算式は、「72÷利回り=期間」で求められます。例えば利回りが4%であれば、72÷4=18となり、利回りを4%で固定した場合、資産を2倍にするは約18年かかると言うものです。
 実際には、資産が増加するに従い、利回りが変動して増加する速度は速くなりますが、少なくとも資産を2倍にするためには、数年程度では厳しいです。
 早くFIREを目指す投資家の皆さんは、年間の利回り6%を目標にすれば、税金を考慮しないで考えると、12年で資産は倍になります。
 早くFIREする為には、日本株だけではとても厳しいです。大きなリスクを伴いますが、高い利回りでの運用を行い、チャレンジするしかないと思っています。