富裕層のランク

配当金生活
スポンサーリンク

財産は金融資産だけではありません

①財産は金融資産だけですか?
 個人投資家は、保有する金融資産額で評価される傾向にあります。特に保有する株などの評価額が1億円を超えると、「富裕層の仲間入り」と言われています。1億円を目標に、長期コツコツと投資する事は、明確な目標があって良い事で、管理人も親しい周囲には推奨しています。ですから評価額とは言え、1億円達成は誇れる事に間違いはありません。
 管理人が少し違和感を感じるのは、「富裕層」と言う言葉です。富裕層の定義はなく、おそらく辞書にも出ていないと思います。少し前に政府が「異次元の子育て政策」において、世帯年収が850万円以上を「富裕世帯」と呼びましたが、はっきり定義はしませんでした。
 ですから、野村證券から分離独立した、野村総合研究所が言う「金融資産保有額が1億円以上」が、ネットや関連本で使われて一人歩きしている事から、管理人は少し違和感を持っています。

②富裕層のランク
 まず、「富裕層=金持ち」と考えると、富裕層になるプロセスは様々です。管理人の周囲には、投資で金融資産を積み上げた人、親の代からの不動産収入や資産を引き継いだ人、起業等で資産を築いた人などがいます。
 いずれも「金持ち」なのですが、違いが分かる時があります。それは、食事と買い物です。食事については、料亭やレストランで会食をする時に、コース料理を注文したがる人と、好きな料理のみをアラカルトで注文する人がいます。
 普通の人は、金額がはっきりしているコース料理を頼む事が多いですが、金持ちは違います。名物料理や珍しい料理とそれに合ったお酒を注文した後、メイン料理を注文する事が多く、「費用は自分が持つから、皆で料理を楽しもう」というスタンスです。
 管理人も警察で働いていた頃は、居酒屋等での会食が多く、「皆で食べる事、飲む事」がメインでしたが、少しゆとりができた現在では、美味しい肴や銘酒を店主のお任せで注文し、「皆で食事を楽しむ事」が多くなりました。

③思い切った買い物
 よく「金持ちはケチ」と言われますが、確かに必要がない物は値引きされていても買いません。しかし、自分にとって価値がある、必要であると判断した物は、お金を惜しまずすぐに購入する傾向があります。見栄は張らず、高級な物を大切に、長く使うという人が多いです。 
 個人投資家として金融資産を築いてきた人は、なかなか思い切った買い物が出来ないように思います。思い切った買い物とは、ズバリ不動産です。
 昔から「持ち家か賃貸か」については、意見が分かれますが、少なくともシニアの富裕層は、持ち家志向が強く、郊外に立派な一軒家を持っています。総務省の統計でも、世帯主の年収が高いほど持ち家率が高くなり、年収400万~500万円の持ち家率は約66%ですが、年収2,000万円以上の世帯になると約9割になっています。

④なぜ持ち家か
 コツコツと投資で金持ち(富裕層)になった人の多くは、「財産=金融資産」と思っています。ですから、不動産購入で保有する金融資産が減る事を嫌がるのです。
 しかし富裕層の多くは、「持ち家」を親の代から引き継ぐか、購入する人が多く、しかも100坪以下が多いと言われています。理由は、税制面でのメリットが大きいからです。税制面の詳細は省略しますが、持ち家の優遇措置は、「買う時」「売る時」「もらう時」の3つに分けられます。
 例えば、相続税の特例に「小規模宅地等の特例」があります。この特例は、亡くなった人が居住等に使っていた土地の相続税評価額が、最大80%減額になるのです。つまり、相続税評価額が1億円の土地は、2千万円になるという事です。
 家は大きな買い物ですが、「富裕層」と言える金持ちは、こうした優遇税制措置を上手に活用して、複数の家を保有し、相続の事まで考えているのです。

⑤富裕層とは
 富裕層の話は、管理人の投資仲間で良く話題になります。管理人は、具体的な金額は別として、「富裕層」又は「富裕世帯」と言うからには、少なくとも「年収」・「不動産」・「金融資産」の3項目は判断材料にすべきでは無いかと思っています。
 住民税非課税世帯で借家に住み、軽四に乗っている人を「富裕層」と呼ぶのは変な話ですし、節約のためにお金が使えない人を「金持ち」と言うのも、如何なものかと思っています。