資産ゼロにして死ねますか?

投資
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勘違いすると危ない

①話題の本
アメリカのファンドマネージャーが書いた本が人気との事で、友人が貸してくれたので一読しました。詳細は書きませんが、本の概要は、「今しか出来ない事をするためにお金を使う」「若い内にしか出来ない経験は、借金してでもやる」「人生で一番大切な事は思い出を作る事」「45歳から60歳で資産を取り崩し始める」「資産はゼロで死ぬ」というものです。本を薦めた友人は感化されたらしく、意見を求められましたので、管理人が友人に言った内容を基に書きます。あくまで、管理人個人の考えであり、本を誹謗中傷する気は全くありませんので、参考として下さい。

②誰が誰のために書いた本か?
本の著者は、50歳半ばのアメリカのヘッジファンドマネージャーで、資産は1億2千万ドルとの事です。著者の経験やそれに基づく考えで書かれた本ですが、注意する点は、この本は「お金が老後に無くなる心配がない人に向けて書いている。」という事です。アメリカ人は、個人資産の約5割を株式や投資信託で運用していますが、日本人は2割に満たないと言われています。また、アメリカのファイナンシャル・サービス企業の2022年の調査では、アメリカの高齢者が考える快適な老後の資産として、125万ドル(約1億7千万円)が必要との調査結果を発表しています。著書は、老後に大金が必要と考えるアメリカ人に向けて書いたものであり、老後2,000万円問題で大騒ぎする日本人に向けて書いたものではありません。

③日本人は「ゼロ」では死ねない
最大の理由は、「いつ死ぬか分からない」と言う事です。今は「寿命計算機」なるアプリやソフトもありますが、いつ死ぬか分からないので、手元に置いておきたいと考えるのが普通だと思います。第二の理由としては、余った分は「子供に残したい」と言うところでしょう。子供がいない高齢者は、社会に寄付をする人も多くなっています。また、何より金融資産があれば、「いつでも使いたい時に、自由に使える」と言った所でしょうか。日本人には、「ゼロ」で死ぬという考えは馴染まない思います。

④若い時の経験は、借金しなくても出来る
管理人も若い頃、色々な経験をしました。長期休暇を取得して、アメリカ東海岸を単独旅行したり、フランスの地下鉄でスリ被害に遭い、フランスの警察署に被害届を出しに行くと、「日本の警察官」と分かった時に警察署内の警察官が管理人を取り囲み、大笑いして話しかけてくれた事など、今振り返れば、色々な経験をして良かったと思いますが、借金をしてまで旅行や色々な経験をした事はありません。特に結婚して子供が生まれると、金銭的な余裕は無くなりますが、子育てをする事も人生における良い経験だと思います。家族でのドライブやキャンプ、誕生日会など、あまりお金をかけずに楽しむ事はいくらでもあります。あまりこれらの書物やネット情報に惑わされること無く、老後を楽しむために資産を形成してもらいたいと思います。