経済的な豊かさが幸せとは限らない
最近「ウェルビーイング」と言う言葉が注目されていますが、どう言う事なんですか?
ウェルビーイングは、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、2021年にWHOが「個人や社会の良い状態の事を言い、健康と同じように日常生活の一要素で、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される」と紹介し、世の中に浸透したと言われています。
「良い状態」と言われても、抽象的で分かったような分からないような感じでですね。なぜ、今注目されているのですか?
これまで、「幸せとは、経済的な豊かさである」と考えられていました。しかし経済力が増しても、必ずしも生活が豊かであるとは言えませんでした。
そこで「心の豊かさや幸福を重視する社会が望ましい」との価値観が広がり、「物質的な豊かさ」ではなく、一人ひとりが「実感できる豊かさ」、いわゆるウェルビーイングを重視しようという動きになってきたのです。
しかし、「物質的な豊かさ」も「実感できる豊かさ」も、お金がないと現実的には出来ないですよね。日本も超高齢化社会になり、「人生100年」なんて言われてます。
個人投資家の人達にとっては、貯めた金融資産を、退職後どのように運用していくかが重要だと言う事ですね。
鋭い質問で、まさにその通りなんです。実は60歳代を対象に「79歳までの充実か80歳からの安心かどちらを優先させたいですか」というアンケート(フィンウェル研究所)によれば、79歳までの生活優先が43.3%、80歳以降の安心優先が20.8%だったと言う事です。
ドラゴンさんは、どちらを優先させたいですか? おそらく、どちらも充実させたいのでしょうね。
「79歳までか、80歳以降か」の2択であれば、間違いなく79歳までと答えますが、大切なのは、人生を終えるまで実感できる豊かな生活であり、まさに「ウェルビーイング」だと思います。
日本人は「死ぬ時が一番金持ち」と言われていますが、高齢者はお金を使えません。これは管理人もよく分かりますが、その理由は「金融資産が減るのはイヤ」と言う気持ちが強いのと「老後不安」だろうと思います。
特にシニア投資家は、せっかく貯めた金融資産です。残りの人生を「家族との思い出作り」や「やりたかった事への挑戦」などに保有資産を使っていき、悔いの無いようにして頂きたいと思います。