シニアになれば分かります

よく「人生の勝ち組」と言いますが、この波乱相場で大手企業の株価が大幅に下落しました。先行きが不透明な感じがしますが、それでも大手企業の人達は、「勝ち組」と言えるのでしょうか。

管理人が思う「人生の勝ち組」は、年金を受給する65歳以上になった時、年金だけで生活出来る人だと思います。 具体的に言うと、持ち家があり、住宅ローンも完済し、年金だけで月額30万円以上あれば、「勝ち組」と言えます。
男性の厚生年金受給額の平均は、約16万5千円ですが、月20万円以上の受給者は約16.5%です。 ところが25万円以上は約1.73%となり、30万円以上の受給者は0.1%以下で、全国で15,000人弱と言われています。

年金受給額で「勝ち組」と言う理由は何ですか? 普通は保有する金融資産とか、起業して成功したか否かで判断すると思いますが。

もちろん、保有する金融資産も重要です。しかしこの波乱相場において、将来の保証がないリスク資産がいくらあっても、所詮は「評価額」であり、金融資産での判断は違うと思っています。
また、起業して成功した人も、一時的には巨額の富を築くかも知れませんが、将来どうなるかは、全く分かりません。
その点、年金は生涯保証されますし、年金額は、現役時代の収入や就労期間の格差などが関係する事から、少なくとも現役時代から「勝ち組」であり、住宅ローン等の負債がなく、年金だけで生活する事が出来れば、間違いなく勝ち組と言えます。

年金額が月30万円とした理由は何ですか?

総務省の令和4年家計調査年報によると、高齢夫婦無職世帯の生活費は、1か月あたり約27万円かかるとなっており、年金だけで生活するためには、月30万は必要となります。
ところが、月30万円以上の人は15,000人もいません。 ですから不足する分は、保有資産を取り崩して生活する事になるのです。
しかし、年金が月30万円なくても、年金受給時に数億円の金融資産を保有し、配当所得などを年金に上乗せ出来れば、金融資産を減らす事なく生活出来るため、「勝ち組」と言えるのかも知れません。

ちなみに、16.5%の人が年金を月20万円受給するとの事ですが、現役時代にどれ位の給料を貰う人なんですか?

厚生年金の標準報酬月額の上限は65万円ですが、標準報酬月額が65万円の場合、標準月額は63万5000円~66万5000円となるので、年収は「約762万円」ということになります。

年収が762万円以上であれば、多くいますよね。 大手企業なら1,000万円貰っている人もいると思いますが、低くないですか?

ところが、なかなか難しいんです。年収762万円と言うのは、40年間の年収が、平均して年762万円であり、生涯給与3億以上を手にした場合なんです。
厚生労働省による推定生涯給与は、65歳直前まで会社員を続けたとして、2億5,785万円(大卒・男性)と言う事ですから、年金20万円のハードルは少し高い事が分かります。
ちなみに、年金30万円の現役時代の平均給与は、1,270万円となる事から、やはり「勝ち組」と言えるのでは無いかと思います。

この波乱相場において、保有する金融資産に関係なく生活出来る人は、羨ましい限りですね。