配当金生活を失敗しないために
配当金生活は「危険」とか、「失敗した」と言う書き込みや記事をよく見るのですが、配当金生活が失敗する人はどう言う人達ですか?
配当金生活が失敗すると言う事は、FIREに失敗したと言えるのかも知れませんが、一言で言うと、見通しが甘かったと言う事です。つまり、収入である配当額より支出の生活費が超過して少しずつ保有株を売却し、売却分の配当金が減少するという、負のスパイラルに陥った人です。人は社会生活をしていく上で、想定外の費用支出が何度も訪れます。そのため、配当額と生活費をトントンで見積もってFIREしてしまうと失敗します。
ドラゴンさんの場合、年金収入があるので大丈夫なんですか?
確かに年金収入があるのは、一つの安定材料です。私事ですが、今年に入り、親戚の葬儀が3件続きました。管理人の親戚の場合、香典費用の相場は、葬儀5万円、初七日1万円、四十九日3万円です。親戚一人の死亡での支出は9万円となります。その上、翌年の一周忌に3万円、次の年の三周忌にも3万円と続きます。これが複数人続くと、さすがに配当金からの支出では厳しくなります。
配当金生活を失敗するのは、支出超過が原因なのは分かりますが、株投資で失敗する原因は何かありますか?
個別株投資で失敗する原因はいくつかあります。まず、配当金目的で短期・中期で売買する場合、証券会社等のスクリーニング機能で高利回りの銘柄をチェックしますが、これがあまりアテになりません。この配当利回りは、あくまで予測です。予想配当金は、企業が業績予想に基づいて発表しますが、実際の業績が業績予想を大きく下回れば、予想配当金が引き下げられ、受け取る配当金は予想より少なくなるのです。
次に失敗する理由は、高配当株に集中しすぎる事が原因だと言われています。配当金の利回りは、高い方が良い事に間違いはなく、配当金生活者の多くは優良の高配当株を持っています。しかし問題なのは、利回りが上がっている理由を把握しているか否かです。タコ足配当などは問題外ですが、特別配や記念配で一時的に上がっている銘柄も注意が必要です。ほとんどが翌期以降の配当が減少します。
そして何より配当金生活者の痛い所は、減配です。企業の業績が悪化したり経営戦略が変わったりすると、減配となります。減配になると、配当収入の減少と同時に、株価の下落のダブルパンチとなり、配当金生活に大きな打撃となるのです。
そう言えば、ドラゴンさんも「あおぞら銀行」で少し痛い目を見ましたが、これらの失敗を無くす為には、何に注意すればよいのですか?
「業績の安定性と、過去の配当金の比較を見る」と言われています。しかし、これが中々難しいのです。管理人も含め、配当金生活者の多くは、株取引についてある程度の自信を持っており、「正常性バイアス」に陥り、先入観を持って決算報告や評価レポートを見てしまうのです。やはり配当金生活を失敗しないコツは、優良株の長期保有と言ったところでしょうか。