個人投資家に生活防衛資金は必要

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株式市場から退場しないために備えましょう

①生活防衛資金
 「生活防衛資金」とは、いざという時の為に備えておくべき資金の事で、資産形成を始める前に貯めておくべきお金です。自分や家族の突然のケガや病気、失業、地震や台風等の自然災害や火災など、万が一のトラブルが発生すれば、収入の激減や想定外の出費などで家計が急変します。「保険に入っている」という人は多いですが、保険金は、その保険の補償する範囲のトラブルに遭わなければ得られませんし、保険で対応できないトラブルもあります。また、保険金請求には書類準備も必要で、保険金を手にするまでにはある程度時間が必要です。「生活防衛資金」は、トラブル直後から、当面の生活を守るために準備しておく資金です。

②管理人の経験
 以前「老後の資金大丈夫ですか?」で書きましたが、元気だった母が転倒による骨折で救急搬送され、自力歩行が出来なくなり、急遽老人ホームに入居する事となりました。急な入所で、入居申込金と一時金で370万円支払いました。実は父も交通事故で救急搬送されました。やはり自力歩行が出来なくなり、県外の大規模病院の個室に入院する事となりました。交通事故だったので、治療費等は保険で出るのですが、当面の搬送費や入院に伴う費用は立て替えが必要でした。また、管理人の知人は、自宅が火災で全焼し、当面マンスリーマンションで生活する事になりました。しかし「生活防衛資金」が無かった事から、火災保険が下りるまでの当面の資金を、親戚・知人に借金する事になりました。

③生活防衛資金と貯金の違い
 生活防衛資金と貯金は、それぞれ目的が違う事から、分けて用意する必要があると言われています。生活防衛資金は、収入が減少する場合や想定外の支出が膨らんだ場合に備えるためのものであり、貯金は、結婚や出産、子供の教育費や老後の生活資金など、将来のライフイベントに備えて用意する資金です。よく「貯金があれば生活防衛資金は必要ない」と言う人がいますが、万一の事態が起こる度に貯金を削っていると、将来のライフイベントを犠牲にする事になるので、生活防衛資金と貯金は、口座を分けて管理しておくのが良いと言われています。

④生活防衛資金の目安額
 生活防衛資金は、一般的には「1か月生活費の3か月分から半年分」が目安とされています。総務省統計局の調査(2022年)によると、2人以上世帯の1か月分の生活費は、290,865円となっている事から、夫婦二人の生活防衛資金は、約87万円から174万円となります。しかし管理人は、これでは少ないと思っています。

⑤個人投資家の生活防衛資金
 FIREを目指している個人投資家は多いと思います。しかし生活防衛資金やライフイベント用の貯金を含めて、「金融資産○千万円達成」とか「億り人達成」などと言っている人が多く、管理人は「ホントに大丈夫?」と思っています。個人投資家は、保険を見直して必要最小限しか加入してない人が多いです。また、生活防衛資金やライフイベント用の貯金を後回しにして、「資産形成優先」になっている人が多いように思っています。「万が一」の備えを疎かにしていると、株式市場から退場する事になりかねません。