若者とシニアでは違います
①高齢者の就業者数
総務省の発表によると、65歳以上の高齢者数は3,625万人で、総人口の29.3%となり、過去最高となっています。また、高齢者の就業者数も914万人と20年連続で増加しており、高齢者の4人に1人が働いている状況です。
②シニアの就業希望
労働市場の調査研究を行っている「パーソナル総合研究所」の調査(2023年)によると、65歳~69歳の就業者の40%が、71歳以降も働く事を希望しており、シニアの就業希望の強さがうかがえます。
ちなみに、65歳~69歳の雇用形態は、パート・アルバイトが約36%、正社員が約20%、自営業が約15%となっており、他に嘱託職員や契約社員の形態で働いています。
71歳以降も働きたい理由は、「働く事で健康を維持したい」が約58%と最も多く、「生活を維持するため」「働かないと時間をもてあましてしまう」が続きます。また、「仕事を通してやりがいを得たい」も約36%と多く、高齢になっても働きたいと考える理由は、「健康」「収入」「やりがい」に大別されるとしています。
③若者の就業意識
同じく「パーソナル総合研究所」によると、「何歳まで働きたいか」の質問に対し、20代男性の平均は58歳、30代男性は62歳であり、2017年の調査時より、20台、30台とも約4歳以上早まる結果となっています。
また、リタイヤ希望年齢は、20代男性で「50歳以下」とした人の割合は約29%で、17年の約14%から2倍以上増加し、30代男性で「55歳以下」とした人も約14%から約28%と、2倍以上になっており、若者のFIRE意識が高くなっている事が分かります。
ちなみに、「なぜ早期リタイアを望むのか」の質問に対し、20代、30代とも回答のトップは、いずれも「働く事が好きではない」が約30%と言う事です。
④なぜ若者はFIREを望むのか
FIREを望む理由の一つは、「リタイア後の蓄えはある」と思う若者が増えた事だろうと思います。資産形成をして、計画的に早期リタイアする事が注目されると共に、未婚の若者が増加して、昭和の時代のように、男性が家計を支え続ける事が減少してきたのだと思います。
ただ、注意が必要なのは、間違った「働き方改革」の理解です。「ワークライフバランス」と言う言葉だけがクローズアップされ、若者は「プライベートを重視」するようになり、「リモートワーク」を望み、残業や長時間労働を「悪」と見なすようになりました。
そのため、日本の99%以上を占める中小企業は、「総労働時間」の減少に伴う労働力の低下により、サービスや事業の質が低下し、事業の縮小など、大きな影響が出てきました。おまけに、世間は「賃金を上げよ」の大合唱です。
これでは、中小企業の倒産件数が、前年比35%増の8,690件となった事もうなずけます。
FIREに憧れる事が悪いとは言いません。管理人も「いつでも辞めてやる」と言う気持ちで働いていた事もあります。しかし、結果的に辞めなくて良かったと退職時に思いました。
仕事の楽しさ、やりがい、達成感、連帯感などを味わう事が出来ない場合は、無理してFIREを目指すより、転職する事をおすすめします。
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