老後2000万円は過去の話

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4000万円でも十分ではない?

①「老後2000万円問題」は過去の話
 2019年に大きな話題となった「老後2000万円問題」。あれから5年が経過して、今ではあまり語られなくなりましたが、実は、老後には4000万円必要とか、5000万円必要と言う経済評論家もいます。
 多くの評論家は、その理由として、「老人ホームの高騰」と「資産の目減り」を挙げており、老後は4000万円から5000万円は必要と言っています。

②老人ホーム費用
 老人ホームには種類があり、大きく分けると、主にコストが安い「特別養護老人ホーム(特養)」と民間の「介護付き有料老人ホーム」になります。
 特養に関しては安い分、すぐに入居できるわけではなく、一般的には順番待ちです。一方、介護付き有料老人ホームは料金が高く、特に都内の施設になると、入居のための一時金で1000万円以上の費用がかかるところも珍しくなく、中には億単位の一時金が必要な施設もあります。
 介護付き有料老人ホームでは、一時金以外にも、施設に払う費用として、入居後も毎月約20万~30万円の費用がかかりますし、医療ケア以外のサービスが充実している先進的な施設では、4人部屋でも月50万円程度、個室だと月80万~90万円位かかります。
 仮に、月額30万円の施設に20年間入所した場合、入所金とは別に、20年間の経費7200万円が必要であり、年金と少しの蓄えでは、入居は厳しいと思います。
 管理人の実母は、自宅で元気に生活していましたが、転倒による骨折で救急搬送されて自力歩行が出来なくなり、介護付き有料老人ホームに入居しました。
 自宅は、車椅子でも生活が出来るようにバリアフリー化にしていましたが、ケアマネと医者から「自宅での介護はとても無理」と言われ、入院先の病院から空室を待って入居しました。
 また、義父は認知症の影響で、やはりケアマネと医者から介護付き有料老人ホームを勧められて入院しました。東京と違い、地方の介護付き有料老人ホームの費用は安めですが、実母も義父も、不動産収入があったからこそ、入居できたと思っています。

③資産の目減り
 資産の目減りとは、インフレによる資産の目減りです。物価が上昇すれば、資産の実質的な価値が下がり、現金を保有しているだけでは資産が目減りします。
 年間のインフレ率が2%であれば、20年後には、現在の資産の実質的な価値が66.8%まで減少します。政府のインフレ目標が2%であり、マイナス2%ずつ減る事を前提とした場合、65歳で5000万円の現金を持っていても、85歳では3338万円になる計算です。
 貯蓄を取り崩す金額(支出-受け取る年金)を年200万円とすれば、インフレ率2%であれば、65歳時点で貯蓄5000万円の場合、85歳で底をつき、それ以上長生きすれば、資産はマイナスになります。
 これは、単純に貯蓄を前提にした場合ですが、貯蓄が好きな日本人の場合、老後資金2000万円は過去の話であり、老後の生活スタイルにもよりますが、少しゆとりがある生活を望むのであれば、4000万円でも十分ではないかも知れません。