幸福度は貯蓄額?
①お金持ちの違い
「お金持ち」を意味する英語は、リッチ(rich)とウェルス(wealthy)がありますが、意味が少し違います。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニストであるモーガン・ハウセル氏の著書である「サイコロジー・オブ・マネー」で
リッチとは、現在の収入が多く、それを使って贅沢な買い物をしていること
ウェルスとは、目に見えない、使われていない富のこと
と説明しています。
分かりやすく言えば、リッチは、大きな家に住み、高級車に乗り、高級腕時計をするなど、一見して「金持ち」と分かるなど、一時的に多くの金を持っている人を指しますが、ウェルスは、社会的な地位や財産基盤があり、長期的に安定している裕福さを言うのだと思います。
②人は目に見える外見で判断してしまう
管理人の知人に、高級ブランドのバッグを持ち、高級腕時計をして高級車に乗っている警察官がいました。しかし、彼の家計は火の車で、カードローンで借金をしており、それが発覚して「分不相応な借財をした」と言う理由で懲戒処分を受けました。 昔のヤクザが、正にこの感じでしたが、人は目に見える外見で、「金持ち」と判断してしまいます。
③何が人を幸せにするのか
アメリカ心理学者のアガス・キャンベル氏は、「何が人を幸せにするのか」の調査をアメリカ人を対象に行ったところ、他と比べて明らかに幸福度が高い人々がいる事が明らかになりました。
その要因は、収入や居住地域、教育などでは無く、「はっきりと、人生を自分でコントロールしている感覚を持っている」と言う事だそうです。
つまり、どんなに高い給料や大きな家、ステータスのある仕事より、「好きな時に、好きな人と、好きなことが出来る生活を送る」事が人を幸せにすると言っています。
では、その為にはどうすれば良いのでしょうか?
④人生の幸福度は「貯蓄額」?
キャンベル氏は、自分の時間をコントロールできるようにするために必要なのは「お金」だと言います。つまりお金が増えれば、人生の選択肢が増えると言う事です。
お金を持っていれば、給料が安くても、時間の融通が利く仕事を選べ、通勤時間が短い仕事を選ぶ事もでき、自分の好きなタイミングで退職する事も出来ると言うものです。つまり、FIREが出来るようになると言う事です。
確かに「FIREが出来る程度の金融資産があれば、幸福になれる」かも知れませんが、「FIRE出来れば幸福」だとは思いませんし、「幸福度は貯蓄額で決まる」とも思いません。
アメリカ人は、お金があればあるほど幸福なのかも知れませんが、決して保有資産額と幸福度は比例するとは思いません。ただ、「お金が全てでは無いですが、全てにお金は必要」だと言う事は間違いないと思っています。
個人投資家で、いわゆる富裕層と言われる人は、少なくとも「リッチ」ではなく、「ウェルス」である事に間違いないと思います。
若い人で、「お金持ちになった気」になりたいのなら、見栄を張り、気前よくお金を使えば良いと思いますが、「お金持ち」になりたいのなら、不必要な物にお金を使わなず、貯蓄額を増やす事が大切だと思います。