相続手続き、大丈夫ですか

警察組織は、職員やOBが亡くなると、死亡連絡が回覧されますが、先日OBのAさんが亡くなったと連絡がありました。確かドラゴンさんの友人ですよね。

そうなんです。A君は警察学校の同期生で、退職後は警察本部で再任用として働き、元気で優秀であった事から、地元の市役所に再々就職して働いていました。
朝、なかなか起きてこないので、奥さんが起こしに行ったところ、ベッドで冷たくなっていたとの事で、死因は急性心筋梗塞だったと聞きました。

最近、ドラゴンさんの年代の方で亡くなるOBが多いですね。

そうなんです。先月の同期会でもその話になり、「やりたい事は、先送りせずに早めにやっておく」と話していたところです。
病気療養をしていて亡くなるのであれば、家族も諦めがつくかも知れませんが、元気で働いている人が突然亡くなると、家族のシッョクは大きいですね。

ところで、近年は新NISAなどで投資をしている人が増加してます。 亡くなったAさんも投資はしていたのでしょうか?
また、突然亡くなった場合、故人の投資口座はどうなるのですか?

A君は金銭的にもしっかりしており、おそらく投資はしていたと思います。
投資口座ですが、NISA口座は、個人名義の非課税投資口座であり、本人の死亡により閉鎖され、相続人が「直接引き継ぐ」事は出来ません。
NISA口座の所有者が死亡して相続が発生すると、NISA口座から株式などが引き出され、死亡日の終値で相続人が取得したものとして、被相続人の特定口座や一般口座に移されます。 その後、相続人が相続人の口座に引き継ぎ、課税対象資産となります。
なお、一般口座や特定口座は、本人の死亡後も相続手続きにより、名義変更や口座の継続が可能です。

ドラゴンさんの奥さんは、株投資をしているので心配ないですが、株投資をしていない相続人は、どうすれば良いのですか?

相続人が証券口座を持っていない場合は、相続手続きをするために、新しく証券口座を開設する必要があります。 特に故人のNISA資産は、他の金融機関の口座には移せないため、あらかじめ同一の金融機関の口座を開設しておく必要があります。

財産として換金するためには、相続人の証券口座へ移管すると言う事ですね。しかし、財産の分与が難しいですね。
ちなみに、ドラゴンさんの奥さんと子供さんはどうする予定ですか?

投資に詳しくない遺族は、すぐに現金化したがりますが、管理人方は、売却・換金せず、銘柄で分割するよう計画しています。 その場合は、分割内容(誰が、どの銘柄を、何株)を具体的に証券会社へ申し出る必要があります。

相続税はどうなるのですか?

これはFPの試験でよく出る問題ですね。 原則として、死亡日の終値が基準となりますが、死亡日、またはその月、もしくは前月、前々月、いずれかの時点での最も低い株価を選択する、と言う事になります。

ドラゴンさんのように、証券会社がはっきりしている場合は良いのですが、証券会社が分からない場合はどうすれば良いのですか?

証券保管振替機構(ほふり)に問い合わせる事で、どこの証券会社に口座を保有されているかを、知ることができます。
ただ、個人投資家としては、株の相続で遺族が困らないように、遺言書のように、文書で示しておくことも必要かと思います。

今回A君の突然死は、同期生では2人目であり、同期一同、大変ショックでした。 自分は平均寿命(81歳)は生きるだろうと思っている同期生が大半であり、管理人もそのように思っていたからです。
管理人は妻に「お金は生きている内に、前倒しで有効に使おう」と話し、早速、大阪万博の予約と夏のリゾートホテルの予約をしました。
個人投資家は、お金を計画的に貯める事は得意ですが、使う事は苦手な人が多いのが現実です。何のための資産形成か、じっくり考えるのも良いと思います。