インフレで老後は1億では足りない

配当金生活
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リッチな生活は2億円必要?

 日本もデフレから脱却し、2%インフレに入ったと言われています。2019年に言われた「老後2000万円問題」ですが、インフレになっても老後は大丈夫なのでしょうか。

 確かに「老後2000万円問題」は、デフレ時代の話ですね。インフレが本格化し、過去5年の消費者物価上昇率は、年平均2.3%に上っています。
 今後どうなるか分かりませんが、日銀の物価上昇率の目標は2%ですし、平均寿命が延びて「人生100年時代」と言われてますから、注意しておく必要がありますね。 

 年金受給ができる65歳から、仮に100歳までの35年間の生活費を考えると、いくら必要なのでしょうか?

 総務省の65歳以上(無職世帯)の家計調査(夫婦世帯)によると、
 ・月間消費支出 約25万7千円 
 ・可処分所得  約22万2千円
 ・月間不足額  約3万5千円
であり、多くの世帯で、公的年金等の収入だけでは消費支出をまかなえず、不足が生じています。

でも、65歳以上のシニアは貯蓄がありますよね。

 そうですね。65歳から95歳までの貯蓄額の中央値は1,658万円です。65歳から95歳の31年分の消費支出を単純に計算すると、約9,600万円となり、1億円あれば、平均的な老後生活が送れる計算です。
 ですが、2%の物価上昇を考えると、1億4千万円必要になるのです。
ただ、この数字は平均的な中流世帯の話であり、外食や旅行にお金を使うリッチ世帯では、これでは収まらないのです。

リッチ世帯は、毎月どれ位の支出があるのですか?

 これは「日経マネー」によると、「リッチ世帯」は、貯蓄額が総務省調査の上位20%(貯蓄額が約4,000万円以上)としています。
 この世帯は、月間消費支出が約34万9千円で、65〜95歳の生活費は単純計算で総額約1億3000万円、2%インフレで約1億8000万円必要になります。 

 しかし、いくらリッチ世帯でも、95歳まで毎月35万円必要と言う事は無いですよね。

 その通りで、年齢を重ねるに従い、徐々に支出は減少する傾向にあり、家計はスリム化すると言われています。
 ただ、リッチ世帯のアクティブな老後生活には、やはりお金が必要だと言われています。
 昭和の時代は、「一億総中流」などと言ってましたが、これからの日本は、高級志向の消費者を対象とする流れにあると思います。

 空港やホテルにおいては、上級会員しか入れないラウンジやフロアがあり、持っているカードの種類で色々と区別されるようになっています。
 あのディズニーランドでさえ、「誰もがVIP」と言いなが高い高い入場料を払えば、希望のアトラクションや施設を、少ない待ち時間で楽しむ事が出来るようになっているのです。

 今後の日本は、リッチ世帯を対象とした商売をする企業が増えてくると思いますが、問題なのは、アメリカみたいに中間層が減少して貧富の差が拡大し、低所得層が置き去りにされるのでは無いかと言う事です。
 ちなみに、低所得層の目安は、日本では年収200万円未満と言われていますが、アメリカでは、年収76,000ドル(1,178万円)未満が、税務署が定める低所得層、年収25,100ドル(390万円)未満が、貧困層と言われています。
 日米における所得格差は広がっていますが、それ以上に国内における格差社会も広がっているようです。