新富裕層の若者が日本経済を支える

最近「新富裕層」と言う言葉を聞くのですが、どう言う人達を言うのですか?

従来の「富裕層」は、野村総研が定義したもので、長年の資産運用や相続によって「金融資産が1億円以上」の人達を指しています。
しかしこれらの人は、普通のサラリーマンが倹約して1億円を貯め、しかも金融資産は「評価額」で計算することから、手元にキャッシュは無く、お金を使えない人が多いのです。
これらの人を「富裕層」と呼ぶのはおかしい、と言う意見が多く、管理人も以前「なんちゃって富裕層」で書きましたが、その通りだと思っています。

「新富裕層」は、博報堂が「インカムリッチ」として、世帯年収が1,500万円以上の層として定義しています。
また、クレジットカード会社のラグジュアリーカードは、年収2,000万円以上の新富裕層の会員を対象に、「ライフスタイルに関する調査」をしており、「保有金融資産より年収」を重視している事が分かります。

「富裕層」と「新富裕層」の違いは何ですか?

「富裕層」は、中高年世代が多く、居住地はバラバラで、保有資産を重視していますが、「新富裕層」は、30~40代の現役世代が多く、都市部に住む傾向が強く、消費意欲が高い事です。

ラグジュアリーカードの調査はどのようなものですか?
ちなみにドラゴンさんはラグジュアリーカード持ってるんですか?

ラグジュアリーカードは持っていませんが、調査結果は、結構興味深いものでした。 調査結果は、「ラグジュアリーカード調べ」によるものですが、
・年収2,000万~2,500万未満を「上流層の入口」
・2,500万~3,000万未満を「アクティブ・ラグジュアリー層」
・3,000万~5,000万未満を「本格的な上流層」
に分類し、アクティブ・ラグジュアリー層のカード取扱高が、全体の約3割を占めており、消費の活発化を牽引する存在であると言う事です。

新富裕層は、何にお金を使っているのですか?

これは博報堂の「新富裕層”インカムリッチ”生活者調査」によると、
・今の生活を楽しむためにお金を使いたい (21.2%)
・自分へのご褒美のために贅沢をしたい (17.8%)
・新しいお店や場所に積極的に出かける (10.4%)
と言う消費意識であり、体験消費、自己投資、健康投資、ご褒美消費が多いと言う事です。

マーケットも、これら「新富裕層」を対象としたハイステータスなクレジットカードを発行しています。 管理人がビックリしたのは、「年会費60万円」と言う「JAL Luxury Card」をJALが発表した事です。
当然、招待制なのですが、どうもJALの上級会員になるための近道だそうで、昔は飛行機に乗り、搭乗実績で上級会員になったものが、今では金で買う時代になったのかと少し納得もしました。
新富裕層は、物価高によって消費行動を控える人はゼロであり、逆にこの状況をチャンスと捉え、積極的に行動する傾向にあるとの事で、これからの日本経済を支えるのは、「富裕層」ではなく、「新富裕層」である事がよく分かりました。