なんちゃって富裕層

配当金生活
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気がつけば富裕層?

 報道によれば、2023年には富裕層と超富裕層が165万世帯に達し、2005年の調査開始以来、最多となっていました。
 3,000万円未満の「マス層」が約8割と言う事で、貧富の差の二極化が、ますます進んでいるようですね。

 それはちょっと違うかなと思います。確かに分類では「マス層」を、資産ゼロから3,000万円未満を一括りにしています。しかし、金融資産を3,000万円近く保有している人を、資産ゼロの人と同様にピラミッドの底辺に押し込めるのは、如何なものかと思います。
 総務省が出している家計調査報告書(2021年)によると、二人以上世帯の平均貯蓄額は1,307万円、中央値は330万円です。
 金融資産が3,000万円近くあれば、何ら恥ずかしい事ではありませんし、少なくともピラミッドの底辺に分類される事は無いと思っています。

 逆に金融資産が1億円を超えれば、「富裕層」と定義していますが、これこそ如何なものかと思っています。 確かに「1億円」は、個人投資家が一つの目安とする区切りの良い数字ですが、少なくとも「富裕層」と言うからには、ある程度の年収が無いと、無理があると思っています。
 野村総研は2025年の発表で、「新たに見えてきた」と指摘したのが、「いつの間にか富裕層」と呼ぶ人達です。 これは、「40代後半から50代の会社員で、年収は500万〜600万円」、金融資産1億円未満の「準富裕層」から、株価の上昇により、気づかぬうちに富裕層にランクアップした人達を言うそうです。
 しかもこの「いつの間にか富裕層」は、富裕層の1~2割程度を占めていると言われています。 

 つまり、2023年頃の株高によって「株の評価額」が上がり、保有金融資産が増えたという事ですね。
 逆に言うと、2025年のトランプ関税によって株価が下落した現在では、「準富裕層」に逆戻りの可能性もありますね。

 その通りです。「いつの間にか富裕層」の特徴は、自発的な努力や計画的な資産形成ではなく、株式相場の上昇や運用商品の成功によって資産が急増した人と言われています。
 「いつの間にか富裕層」は、その名の通り、知らない間に富裕層となったため、金融知識が不足しており、自分が富裕層という自覚は無く、いつまでも倹約生活を続けている事から、消費性向は低いと見られており、まさに「なんちゃって富裕層」だと言えます。

 富裕層の1割~2割は多いですね。では、「なんちゃって富裕層」にならない為には、どうすればよいのですか?

 2025年にトランプ関税で「準富裕層」に戻った人達は、まず、アメリカ頼みの「オルカン信仰」などから脱却し、株式投資を基礎から勉強して、自分で投資判断が出来るように知識と経験を積む事だと思います。
 「なんちゃって富裕層」がいくら増えても、消費を喚起したり、社会貢献活動で経済を回さなければ、いつまでたっても日本は良くなりません。
 野村総研もこの際、分類基準を年収と金融資産をリンクさせ、年収は低いけど、金融資産は1億円以上ある人を、「なんちゃって富裕層」とすれば良いのではないでしょうか。