60歳からでも遅くない
来年3月に退職する先輩が、「退職後に新NISAを始めても大丈夫だろうか?」と言っていました。実際の所、遅いと思うんですが。
この質問は、後輩から良く受けますし、老後の資産形成をする上で、迷う所だと思います。特に2024年8月になって、株価が大きく変動しており、株式投資に対し、不安な気持ちが増していると思われます。
しかし、銀行に振り込まれた退職金は、そのままにしていても増えません。人生100年時代です。無理をしない範囲で、新NISAを始める事をお勧めしています。
しかし、有名な経済評論家の中には、「新NISAはおやめなさい」と言う人も少なからずいますが、大丈夫なんでしょうか?
株式投資を勧めない経済評論家はいます。問題は、対象を絞りすぎて情報発信しているという事です。
PGF生命の「還暦人に関する調査(2024年)」によると、60歳で貯蓄がゼロという人は約25%、300万円以下は約44%と言う事です。
さすがに管理人も、このような人達に投資を勧める事は躊躇します。これらの人達は、ちょっとした事で家計が行き詰まる可能性が高い事から、まずは貯蓄を勧めます。
株式投資を勧めない投資家は、これらの人達を対象にした発言だと思われます。
では、公務員や会社員等で、ある程度の金融資産と退職金があれば、やはり新NISAを始めた方が良いのですね。
60歳以降は、子供も独立して教育費は必要なく、住宅ローンも終わる頃です。また生命保険も大きな保障は必要無く、保険料も下げる事ができる事から、支出はかなり減ります。
定年後に再就職等で働く場合は、収入は大きく減りますが、大きな支出が減ることで、家計の収支はプラスになっていくと思います。
ですから、退職金をとりあえず銀行に入れるのであれば、余剰資金で新NISAを始めた方が良いのです。
退職金で余裕資金があれば、新NISAを始めた方が良い事は分かりました。でも、人生100年時代と言っても、いつまで投資をするのですか?
まず、できるだけ長く働く事です。会社員の8割は再雇用で働いていますし、事業者は70歳までの就業機会の付与が努力義務化されています。
70歳まで働く事を前提にすれば、収支がプラスになり、60歳以降も貯蓄が可能になり、その資金で新NISAの運用が可能となります。
株式投資をやめる事を検討するのは、「収入よりも支出が多くなった時」です。収入が年金と配当金になった時、赤字分を補てんするため、赤字分だけを取り崩します。
しかし新NISAは、赤字分だけを取り崩しながら、残りは運用を続けます。それによって、老後資金を長持ちさせることが可能です。
2024年8月は、歴史に残る位の大変動がありましたが、少なくとも日本企業の業績の悪化が原因での株価暴落ではないので、あまり神経質になる必要はないと思います。
定年後、退職金で新NISAを始める事を検討している人は、以前書いた「退職金を新NISAで後悔しない」を参考にしてください。