退職金、大丈夫ですか?

配当金生活
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20年間で1,000万円の減少、今後は増税も予定されている?

①あなたの会社、退職金制度ありますか?
 公務員や大手企業に勤務している人は、当然のように退職金があると思っていますが、中小企業に勤務している人はどうでしょうか。退職金制度は、法律で定められたものではなく、各企業が独自に設けており、退職金がない所もあります。退職金制度がある企業でも、勤務年数等の規定により退職金が貰えない場合があります。ちなみに、退職金制度がある企業は、従業員1,000人以上の企業は92%ありますが、30人から99人の企業では78%を切っており、29人以下の所では更に減少しています。また、ほとんどの外資系企業は退職金制度がありません。外資系企業は、日本と違い終身雇用という概念がなく、社員もキャリアアップ等で次々と転職をする事から、給料は高いけれど退職金がありません。

②退職金は減っている
 以前、「公務員の老後安泰神話は過去の話」で書きましたが、地方公務員の場合、昭和の時代から比較すれば、30年間で約700万円減少しています。つまり年間23万円ずつ減少した計算になります。また、一般企業の場合はもっと深刻で、20年間で約1,080万円減少しており、これは年間54万円ずつ減少した計算になります。20年、30年前と比較して物価は上昇している事から、退職金で家を建てたり老後資産として運用するのは、過去の話になりつつあります。

③退職金にかかる税金
 FPの試験で必ず出題されるものですが、退職金にかかる税金は優遇されています。退職金には所得税や住民税がかかりますが、退職所得控除によって納税額を抑えられたり、ほかの所得と合算しない分離課税が適用されたりといった税制優遇が設けられており、納税額は勤続年数などによって異なります。詳細はインターネットで確認して頂くとして、問題は2023年6月に閣議決定された、退職所得課税制度の見直しです。現在、勤続年数が20年を超えるかどうかで控除額の計算が違っており、長く勤務すればするほど控除額が大きくなる仕組みになっています。例えば、退職金が2,000万円の場合、勤続19年で貰える税引金額は約1,855万円ですが、勤続40年では税金がかからず、2,000万円貰えます。課税制度の見直しは、ここにメスを入れる可能性が出ています。理由は、外資系企業のように優秀な人材の転職を促し、人材の流動を高める狙いがあると言われています。しかしこれにより、退職金にかかる所得控除金額が変更され、退職金が減る可能性が出ているのです。