投資より先にする事がある

来春退職する先輩が、「退職金で株投資をする」と言ってました。 今まで投資をした事がない人でも、大丈夫ですか?

これはよくある相談で、以前にも「退職金で投資を始める?」でも書きましたが、子供の養育、親の介護、住宅ローンの心配が無く、「とりあえず退職金を銀行に預けようか」と言う人には、株式投資を勧めますが、投資より先に、再就職や再任用で働く事が前提です。

公務員も定年延長になったとは言え、退職金を貰うまでには数年ありますからね。

退職後は、再就職等の給料で生活し、退職金で新NISAの成長投資枠に投資する事をお薦めします。
普通なら、個別株への集中投資は避けるべきですが、管理人はプライム市場の日経225銘柄から、1銘柄か2銘柄を選び、240万円の枠一杯投資する事をお薦めします。

えっ、一つの銘柄に集中させると、株価の変動による影響が大きく、大損する事になりますよね。素人にそれを薦めるのは、FPとしては如何なものかと思いますが。

日経225銘柄は、成熟した企業が多く、株価の大きな変動はあまりありません。
配当利回りが4%を超える銘柄であれば、年間10万円程度の配当金が非課税で入ります。 新NISAを2年目以降も、同様に1~2銘柄を240万円の枠で、5年間繰り返せば良いのです。
これで5年間の配当金の累計は、合計で150万円程度になり、保有銘柄も5~10銘柄と分散させる事ができます。

理屈は分かるのですが、実際は、どの銘柄に投資するのかが重要ですね。全くの素人に判断出来るのでしょうか?

銘柄だけでなく、購入時期も重要です。プライム市場の多くは、3月・9月の決算期が多く、3月末の権利付き最終日に向け、株価は上昇します。 ですから、1月~3月初旬までの株価が安い時に購入するのが良いのです。

60歳を超えた人は、資産を大きく増やすことを目指すよりも、いかに目減りさせず、安定した収入源を確保するかが重要です。 もちろん、新NISAはいつでも現金化できるので、金融資産があまり無いシニアは、この程度で良いかと思います。
60歳を超えた素人が、株式投資で資産を大きく増やそうと思って無理をすると、まず失敗します。
そもそも、退職前から資産形成を始める事が遅すぎるのです。