政府の考えは違いますよ
①「生涯投資家」の考え
投資家村上世彰氏の著書に「生涯投資家」があります。管理人がこの本を読んだ頃は、「シニアだから」という理由で、投資をやめる必要はないと考え、自分も生涯投資家になるつもりでいました。
生涯投資家を推奨する人の多くは、積み上げてきた投資資産を、わざわざ現金化して金利のない預貯金口座に入れる必要は無いと言います。使うかどうかわからないお金は、リスクを取ってでも、株式などで長期的に有利な運用を続け、必要な分を売却して現金化するのが良いと言います。
以前、「資産はゼロにして死ぬ」と言う本が流行りました。しかし、人生100年時代と言っても、自分が何歳まで生きるかなんて誰にもわかりませんし、将来の為替相場がどうなるかも分かりません。ただ、90歳以降でも心身が健康であれば、十分現役で続けている投資家もいます。
②「投資にはやめ時がある」の考え
「投資は、目標額に達した時がやめ時」と言う人がいます。投資という、将来の保証がないリスクを取りながら資産形成した人にとって、目標額が達成されれば、現金化してリスクを防いだ方が良いと言う考え方です。 資産は増やすのが目的では無く、人生を楽しむために使うべきだと言う事です。
75歳で金融資産が1億3千万円あれば、現金化しても税引で1億円残ります。これに年金が300万円あれば、年間700万円の支出で、ちょうど100歳まで生活する事が出来ます。100歳以降も生存していれば、年金300万円の生活で十分だと言う事です。
③政府の構想
2025年5月に金融庁が「資産運用立国の実現に向けた金融サービスの質の向上への取組」と言う国際セミナーの「資産の取り崩しの議論」と言うワーキンググループにおいて、
・30歳~65歳:積立ながら運用する時代
・65歳~80歳:使いながら運用する時代
・80歳~100歳:使うだけの時代
とし、30歳~65歳は資産形成(山登り)、65歳~100歳を資産活用(下山)と、登山のようなイラストで説明しており、生涯投資家では無く、80歳がやめ時と想定している事が分かります。

④管理人の考え
「生涯投資家で死ぬ」と言えば、個人投資家としてはカッコ良いのかも知れませんが、管理人は75歳から徐々に株を売却して現金化する予定です。詳細は、以前「老後資金は使いながら運用する」で書いていますので参考にしてください。