テンバガー?やめときなさい

株投資をしている後輩が、「テンバガー(10倍株)になりそうな銘柄」を教えてと言ってきました。
理由を聞くと、投資会社がネットで「目指せテンバガー!」などとグロース市場などの成長株をランキング化し、購入を煽っているとの事でした。
あきれて物が言えませんでした。

どうして成長株を追ってはダメなんですか? 現在、プライム市場で活躍している大企業も、スタートアップ時があったと思いますし、ドラゴンさんも、エンゼル投資でスタートアップ企業に投資してるじゃないですか。

確かに、10倍以上になった銘柄は多くあります。ヤフーやファーストリテイリングが有名ですが、それらの株は上場当時、証券会社の窓口(当時ネット証券は無かった)において、最小単元が数十万円で購入できたのではありません。
ヤフーは、1997年11月の初値が200万円、ファーストリテイリングは、1994年7月の初値は1,490万円(最小単元1,000株)でした。
特定投資家を対象にしたエンジェル投資も、将来有望と思える案件の最小投資額は、だいたい800万円から1,200万円が多く、普通の個人投資家が手を出せるものではありません。
管理人が保有しているセンンショーHDのように、一株1,000円程度(最小単元100株)で購入できた銘柄が、現在、1万円近くまで上昇したものもありますが、そう言う銘柄は極めて少ないと思ってください。

また、東京証券取引所は、グロース市場の企業に対し、2030年以降、上場要件を現行の「10年経過後に時価総額40億円以上」から「5年経過後に100億円以上」へ引き上げる方針です。
これによって、グロース市場の多くの企業が、上場廃止に追い込まれるのではないかとも言われています。

なぜ見直しをするのですか?

未成熟な会社が大量に上場すれば、市場全体の価値が低下するとともに、投資家の資金が分散し、適正な企業評価がされにくくなるのです。
グロース市場への年間新規上場数は減少しており、2025年1月から6月までの新規上場数は28社で、うちグロース市場は18社と、前年同期の34社からほぼ半減しています。

お金に余裕がなく、急激な値上がりを期待して、株価が安いグロース株に手を出したくなる気持ちは分かります。
しかし、グロース株は配当が少なく、株価が下がった場合は含み損を抱え、購入者がいなくて売却できず、塩漬けにする人が多いのです。
面白くないかも知れませんが、初心者の内は、日経225やJPX400の中から、その業界でNo1かNo2の実績がある企業を選択するのが、間違いないかと思いますし、初心者の方には、それをお薦めしています。