ミニマリストには理解できません

アイドルやキャラクターを応援する「推し活」が話題になっています。若者も、お金が無いと言いながら、結構、推し活にはお金を使っていますね。

日経新聞が、「推し活」に関する読者アンケートを実施していますが、推し活に使う年間の総額で、「10万円以上」は全体の20.8%です。しかし30代以下に限ると30.4%であり、30代以下の平均使用金額は約19万2000円です。具体的には、「グッズ購入」が75.3%だそうです。

私の後輩も、普段の生活は節約してるけど、アイドルグッズには、結構お金をかけていますね。

実は、推し活については、日銀も注視していて、2024年秋の「地域経済報告」において、「若者の『推し活』需要は旺盛で、グッズなどの販売が好調であり、客単価も上昇しており、レジャー施設での支出は惜しまない傾向が伺われる」と報告しています。

日銀が注目するのなら、経済効果もあるのですね。

調査事業を行う「矢野経済研究所」によると、2024年の「推し活」市場規模は1兆円を超えるとし、グッズ購入、イベント参加、遠征費用などを含めると、年間3兆5千億円規模のマーケットになると予想しています。
日本は物価高が続き、消費活動は低調だと言われています。しかし、特に30代以下の若者は「節約するところは節約し、使うところにはお金を使う」とメリハリをつけ、生活を楽しんでいると言われてます。

これからの日本経済は、若者がけん引するのですね。

シニアの貯蓄額は大きいのですが、お金の使い方を知らないシニアが多いのが現実です。これは個人投資家も同じかも知れません。 特に倹約して、コツコツと積立投資をしてきた「なんちゃって富裕層」達には、今の若者の「推し活」は理解できないかと思います。

今は、「モノ消費」から「コト消費」、更には「トキ消費」の時代へ移行しています。
「モノ消費」とは、消費者がお金を使う時に商品の所有を重視する消費行動を言い、「コト消費」とは、その商品を所有し、サービスを利用する事によって得られる、経験や体験を重視する消費行動を言います。
そして「トキ消費」とは、「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない事を重視する消費行動を言い、限定的、参加性、貢献性の特徴があると言われています。
例えば、映画やドラマの舞台となった「聖地巡礼」や「コミックマーケット」「コスプレ集会」などが該当します。

そう言えば、「コミックマーケット」には、外国からも大勢の人が来て、大盛況ですね。

円安で自動車などの輸出は伸びなくなっている現在、日本が世界に誇れるのは「アニメ」や「ゲーム」などのコンテンツだと思っています。
「マンガ」と言う言葉は、正式にフランス語になっているほどメインカルチャーになっており、以前、麻生元首相は、アニメ、漫画、映画どの作品を展示する「国立メディア芸術総合センター」の建設を計画していました。
しかし当時の民主党政権に「国営マンガ喫茶」等と揶揄され、中止に追い込まれました。
今や漫画やアニメは「クールジャパン」の代表格であり、海外での評価は高く、これからの日本経済に大きく貢献すると言われています。
また、世界では「OSHI」と言う造語がSNS上では認知され、外資系ファンドも投資先の一つとして考えてきています。

そのように考えると、「推し活」もバカに出来ないですね。

「推し活」は国内のみならず、海外からのインバウンド需要も取り込み、オンラインというデジタル化で、更に規模を拡大する可能性があります。
2024年に東京ビッグサイトで開催されたコミケには、夏26万人、冬30万人の来場者があったと言われています。
管理人の娘が学生の頃、飛行機を利用してコミケに行き、同人誌をたくさん買って帰り、管理人が「理解できない!」と叱った事がありました。
今考えると、管理人より娘の方が、「トキ消費」に対する理解があったのかも知れません。